2017年7月21日(金)に 第193回月例会が開催されました。
高校35期の戸田龍介様に「日本における農業簿記の研究 ー戦後の諸展開とその問題点についてー」と題してご講演頂きました。
ご講演に先立ち、自己紹介では ご両親を含め、ご親族にも多くの倉高卒業生がいらっしゃり、小倉高校に縁の深いご家系とのことでした。
まず、ご講演冒頭では“簿記”とはどういうものか、単式簿記及び複式簿記について解り易く説明して頂きました。
本題では農業簿記というものがこれまで「1.農業税務簿記 2.農業統計調査簿記 3.農協簿記 」という3つの分類で展開され、農業簿記の真の目的である「農産物の生産に要した原価を把握して、これをもとに改善をはかり、農業経営の発展に寄与する」からかけ離れたもので、あるべき前提「利用者=農業従事者のための簿記」ではなかったことをヒアリング調査・文献調査などの事例を交えつつ、その明らかになった問題点を解説頂きました。
また その問題点は単に農業政策に留まらず、戦後日本の国策にも通じることであり、聴講者全員が講義の中身に引き込まれる非常に意義のある内容でした。
今後、TPP等のトリガーが入ることで、農業簿記が本来の目的である農業経営の発展に寄与されることを期待したいと思います。
高36期 関口