2016年9月16日(金)に第185回 月例会が開催されました。
今回は、高校26期の小野喜志雄様に「想定外の事態への対応能力の強化に向けて」というテーマでご講演いただきました。
講師の小野様は、九州大学医学部を卒業後、外務省で医務官としてタンザニアに赴任後、JICA、厚生労働省、JAXAと多彩な経歴をお持ちで、現在は国際医療福祉大学大学院教授を務めていらっしゃいます。
「想定外の事態」と「対応能力の強化」について、群馬大学病院の医療事故、新型インフルエンザの流行、南スーダンのクーデター、イエメンでの誘拐、アフガニスタンの自爆テロなど具体的な事例を例に挙げながら、各事例ごとの解説をいただきました。
特に、医療事故にならないように、医師を怒らせない程度に治療方法について、「その方法しかないか、他の選択肢はないか」、「有効率はどれくらいか?有害事象は発生してないか」、「どの程度まで回復するか、障害は残るか」など情報収集し判断することで、想定外の事態を未然に防ぐ具体的な方法を教えていただき、参加者の方からもわかりやすく好評でした。
現在取り組まれている、インドネシアの住民参加型の災害対応能力向上の研究についても宇宙での経験を国際協力に生かせないか、という発想から、NASAのサバイバルトレーニングの要素を取り入れたお話は、小野様のこれまでの知識やご経験をアメーバーのように融合した新鮮な切り口で大変興味深かったです。チームで判断することにより、正しい情報を得て、正しく判断し、情報共有することができること、現場力の強化(山小屋のおじさんの知恵を生かす)については、プロジェクトやチームのマネージメントでも重要な要素であり、日々の課題解決に生かしていこうと思いました。
当日は、是非小野様のお話を聞きたいという、52期で保健師をされている方とそのご友人の2名も参加し熱心にお話をされ、同期の26期の方からも中学から一緒で母のような気持ちで見守っている、とエールが送られ、今回も和やかで楽しい会となりました。
高校44期 古川慶子