関東明陵同窓会

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築城則子染織展-縞百姿 遊びをせむとや-会期変更のご案内

築城則子染織展-縞百姿 遊びをせむとや-会期変更のご案内

既に終了した内容です。2021年02月07日実施

 高校23期で日本工芸会正会員の染織作家・築城則子さんによる和光では8年ぶり4回目の個展を開催いたします。当初は2020年4月に開催を予定していましたが、新型コロナの緊急事態宣言が発せられたため、会期を改めて開催するものです。
 江戸期からの伝統的な織物である「小倉織」や「小倉縮(ちぢみ)」を現代に甦らせ、そこに独自の創意を加え多彩な「縞」の世界を展開しています。
 依然として新型コロナの感染が拡大しておりますので、政府や自治体による要請や会場での感染防止策(*)も踏まえ、あくまでも各人で体調等を考慮してご判断の上、ご鑑賞下さい。

 

会  期:2021年1月28日(木)~2月7日(日)
     10:30~19:00 最終日は17:00まで 無休

会  場:和光ホール
     東京都中央区銀座4丁目5-11 和光 本館6階
     (*)会場の新型コロナウイルス感染拡大防止策につきまして
        https://www.wako.co.jp/news/1373

出品点数:帯     約40点   
     着物・着尺 約20点
     額装など  約10点
     その他小品 約30点
     合計    約100点

入 場 料:無料

お問い合わせ:(03)3562-2111(代表)

 

〈解説〉

 築城さんは学生時代に近世演劇を学ぶうちに、特に能装束の色彩表現に魅了され染織の道を志します。日本各地で紬織を学び研鑽を積む中で、ある時、縞が鮮やかな木綿の小裂・小倉織と出合いました。「小倉織」は、経(たて)糸に細い木綿糸を密に用いて織り上げられた丈夫でなめらかな織物で、使い込むとなめし革のようにしなやかになります。徳川家康が愛用していたと伝えられるほど、かつては武士の羽織・袴として珍重されていた小倉織。しかし、昭和初期になると安価な綿織物や化学繊維の台頭などにより使用頻度が減り、遂には途絶えてしまいました。自らの故郷にあった幻の縞の織物「小倉織」が、「自分の求めていた染織表現である」と直感的に感じた築城さんは、その復元に向け研究を重ね、それを実現させました。その後には「小倉織」と同様に途絶えていた夏ものの着物地 「小倉縮」も復元させました。単なる再現ではなく、より細く、より数の多い経糸を用いて繊細さを加え、多彩な色の組合せと縞の構成に工夫を凝らして独創的な「小倉織」を極めています。
 用いる染料は、工房の周囲に広がる里山の豊かな自然の恵みを受けた植物から採取しています。互いを尊重しあう植物染料で染められた糸は透明感と深みがあり、冴えた色が隣り合う色と影響しあって縞をより際立たせます。
 8年ぶりとなる今展では“縞百姿 遊びをせむとや”というサブタイトル通り、まさに100種の縞の変化(へんげ)を会場に展開させます。それは、近世今様の一節から遊生(ゆう)染織工房という自身の工房を立ち上げた当初より一貫して流れる、“自由な心で未知なる高みに臨んでいきたい”という精神が誘う技により可能となります。研ぎ澄まされた感性で織り上げられた絶妙な配色をみせる小倉織帯40点に加え、片身替りなど洗練された意匠と風合を備えた紬や練貫・縮の着物、着尺20点、そのほかに額装・漆箱に小倉縞をほどこした小筥など、生活空間を彩るオリジナリティーの高い作品、合わせて約100点の出品です。さらに、現在、日本工芸会で活躍する江戸切子の小川郁子さん、竹工芸の本田青海さんという若手工芸家2名による作品と創る「和の装いのコラボレーション」の展観も加わり、彩りを添えます。

 

 小倉縞木綿帯「紫翠邂逅」

小倉縞木綿帯「櫻邂逅」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練貫着物 「 藤(ふじ) 襲(がさね) 」

 

築城則子(ついき・のりこ)略歴

1952年   福岡県北九州市に生まれる

1974年   早稲田大学文学部中退
    染織研究所で染織の基本を学んだ後、久米島、信州などで紬織を学ぶ

1978年   西部工芸展初入選

1984年   小倉織復元

1985年   日本伝統工芸展初入選

1986年 西部工芸展 福岡県知事賞受賞
    以降、日本工芸会賞等受賞多数

1992年 日本伝統工芸染織展初入選

1994年 小倉縮復元

1995年 北九州市民文化賞奨励賞受賞
    遊生染織工房設立 

1996年 重要無形文化財保持者・北村武資氏による「羅」の伝承者養成研修会に参加
    「築城則子染織展」(北九州市立美術館)

1997年 「志村ふくみと水縹の会」に出品(和光ホール)

1999・2003・13年
    「築城則子染織展」(和光ホール)

2001年 日本伝統工芸染織展鑑審査委員となる
    「うすはたの会」に出品(和光ホール)
    Marilyn Robert & Noriko Tsuiki 「Threads East and West」(オレゴン州)

2004年 「非情のオブジェ-現代工芸の11人-」に出品(東京国立近代美術館工芸館)

2005年 伝統文化ポーラ賞優秀賞受賞
    「織の挑戦者たち-北村武資とうすはたの会」に出品(ロンドン)
    「築城則子-縞の音色・小倉織 今」(北九州市)
    北九州市民文化賞受賞

2007年 文化庁芸術家海外派遣制度の特別派遣として80日間ロンドンにて研修

2008年 日本伝統工芸染織展 文化庁長官賞受賞

2010年 西部伝統工芸展 朝日新聞社大賞受賞
    日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞受賞

2012年 文化庁主催海外展「日本のわざと美:近現代工芸の精華」に出品(フィレンツェ)
    福岡県文化賞 創造部門受賞

2014年 北九州市立美術館分館 小倉織復元30周年「築城則子―縞の今―」

2015年 菊池寛実記念 智美術館「工芸の現在」展 第一回菊池寛実賞受賞

2016年   ミラノデザインウィーク2016 ミラノ大学「Parabolic Stripes」出展

2018年 文化庁 地域文化功労者表彰受賞

2019~20年 東京国立近代美術館工芸館
      「所蔵作品展 パッション20 今みておきたい工芸の想い」に出品

現在   日本工芸会正会員、遊生染織工房主宰

 

■デザイン制作                                    

1991年    北九州市立医療センター            

1993年    リーガロイヤルホテル小倉       

1994年    サンアクアTOTO株式会社       

1998年    ステーションホテル小倉

2000年    北九州市勝山橋 橋面デザイン   

2011年    九州労災病院インテリアデザイン

2013年    福岡銀行北九州本部新社屋壁面制作

 

■作品収蔵

東京国立近代美術館(現・国立工芸館)

ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)

北九州市立美術館