7月15日の第184回講演は、高校21期の中上博秋様による「薬について 上手につきあい健康ライフ」をテーマに質疑を加え1時間15分におよぶ熱演でした。
講義参加者は、6期の大先輩から62期の薬学部現役学生まで、21期の同期生6名を含め23名の年代、生業も多岐に及ぶ卒業生にお集まりいただきました。
「おとなしいから工学部には向かん」と叔父上に諭され、薬学の道一筋に歩んでこられた中上様の話は、全世界3億人を救ったペニシリンの開発余話から、新薬開発のリスクに至るまで、TV書籍等メディアからは知りえない内容を含め丁寧に解説いただきました。新薬開発は、9~17年に及ぶ期間、研究開発費数百から千億円もかかり、その成功確率は29699分の1であるそうで、特許期間25年のうちに回収しなくてはジェネリックとの価格競争に巻き込まれる運命にあるとのことです。お薬、高いわけですね。
ジェネリック医薬品は、このまま10年医療費増大を放置すれば破たんに直結するといわれる日本の医療保険の救世主の一つとされ、国策としてその普及を推し進めていることはご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、そのジェネリック医薬品の品質についても血中濃度測定等で保障されていることを学ぶこともできました。
最後に、薬との上手な付き合い方を中心に聴講生との質疑を交わし、続く懇親会でにぎやかに締めくくりました。
26期 伊香